家事育児に協力しない夫を動かす働くツワモノ主婦達の知恵
疑問1|家事に協力する夫なんて、初めから家事する人だったんでしょ?
共働きで子供も小さいのに、夫が全く家事や育児に関心を示してくれない。自分の家のことなんだという自覚がなく、忙しくしていても知らん顔でゲームに熱中。ほんの少しでもいいから協力してほしいのに、言うと逆ギレされてしまう・・・。
あなたのご主人はいかがですか?言わなくても家事協力してくれますか?家事に協力してくれる男の人なんて、もとから一人暮らしが長かったりで、そもそも家事に対する意識が高い人だから、うちの夫はもうしょうがない、そんな風に考えていませんか?
日々家事、育児、仕事とまるで毎日一人で闘っているように思う・・・。子供産んでから数年たったけど、なんだか身体は産後すっかり疲れやすくなってしまって、体力も本当にない。仕事も家事もしんどいうえに、子どももいろいろやらかしてくれて、どうやって自分の心のバランスをとったらいいのか本当にわからなくなってきた。夫だけが味方でパートナーなはずなのに、知らんぷりされるとそれが一番のストレス。うまく立てたりお願いできれば夫も家事協力をしてくれるかもしれないけど、そんな余裕は自分には全然ない。
疑問2|男性は未だに結婚後は女性が家事、育児を負担するのがあたりまえだと思ってる人が多いの?
厚生労働省の『平成26年度 結婚・家族形成に関する意識調査』で、「あなたは、夫婦の間で家事や育児の負担はどのようにしたいと思っていますか。」という質問に対して、いわゆる子育て期真っ只中の30代男性の回答は次のようなものでした。
・どちらも同じくらい家事、育児を負担する・・・約56%
・妻が多く負担する ・・・約34%
・夫が多く負担する ・・・約7%
であったのに対して、30代既婚男性の回答は、
・どちらも同じくらい家事、育児を負担する・・・約35%
・妻が多く負担する ・・・約63%
・夫が多く負担する ・・・約1%
この回答結果をみると、独身の時は、家事育児を同じように負担するつもりだった男性が、結婚後は妻が負担するものという考えになってしまっているということが読み取れます。
もちろん、仕事や家族を守るということに対する責任感とか、年齢的に徐々に仕事量が増えて来るなどということもあるかとは思います。結婚してしまった後は、夫が甘えているとか、そういうことは一概には言えません。しかし、未だに日本の子育て期の男性のなんと6割以上が、家事は女がするのがあたりまえ、そう思っているのが現状のようです。
これではいくら働くママが大変でも、夫が周りを見渡せば、多くの同僚の奥さんが家事をやってくれているという状況があり、なかなか危機感はもてません。「あいつの家だってそんなに家事手伝ってないみたいだぞ。」そんな感じです。でも、こんな風に協力できない夫婦は、そのまま奥さんがやりきれなくて不倫をしてしまったり、ケンカが絶えないと旦那さんのほうも浮気してしまったり、結果離婚に至るというケースも少なくありません。
そうならないよう、何らかの手立てを打っていきたいものです。働くママの負担がこれ以上増えないためにも、明るい未来のために、なんとかしなければなりません。そこで、今回は、同じように家事を全然しなかった夫が、家事に協力してくれるようになった体験記を3つご紹介させていただきます。
40代パート販売スタッフのA子さん|家事をしない夫に家事協力してもらえるようになった方法
A子です。私は41歳で販売スタッフのパートで週に3日働いている女性です。残業はありません。我が家は、夫と私と中学3年生の長男と小学5年生の次男の4人家族です。夫は、仕事の日には朝早く出勤して、帰りは夜中になることがほとんどです。そのため、平日に夫には何もお願いはできない状況です。子供達も部活や習い事で忙しい毎日です。
休みの日は寝てばかりいた夫のやれそうなことを見つけて、お小遣いまであげた
主に家のことを掃除しているのは私です。夫の休みの日には、ほとんど寝ていることが多く家事はしてくれませんでした。私がほとんど家の掃除はやっておりますが、大変な時に、夫や子供にも簡単な家事をお願いするようにしました。そうしないと一日中掃除して終わってしまいます。そこで、夫と子供でできるお風呂掃除、洗濯物を干す仕事やベランダ掃除をお願いしています。夫も子供もお休みの日にだけお願いしているので、家事を手伝ってくれたら、お小遣いをあげて、好きなものを買えるようにしています。
その方法にしてから、すぐに家事を手伝ってもらえるようになりました。平日は私が出勤前に、洗濯物と掃除機まで済ませて、帰ってきたらお風呂掃除や夕食の支度になります。休みの日には、少し遅めの8時に起きて、朝食を食べたら、皆で掃除をスタートします。一人で掃除するよりも皆で分担すれば早く家事も終わって、皆もスッキリした気持ちになれるし、自分の時間も作れて余裕が出てきます。
協力して家事をやるようになってから、イライラした毎日から、家族の絆が深まった
家事分担をお願いしてから、半年経ちます。皆で協力して自分達の居住空間を綺麗に過ごしやすくする事で、家族内の絆も深まってきました。私一人でしてきたことがどれだけ大変なのか、家族皆で身をもって経験して、理解を得られるようになりました。夫も子供も家の中を汚さないように、掃除が大変にならないように気にして生活してくれるようになり、掃除も楽になってきました。
毎日の積み重ねで部屋は常に汚れますので、皆で協力し合えばかなりの時短になって、私のイライラもかなり減りました。皆で出かける前に掃除が終わらないのは、自分も家族も楽しめなくて、勿体無いといつも感じていましたが、今では皆も家事をするスピードでが上がり、楽しくお出かけもできるし、子供達はお小遣いをもらって好きなものを買える事で喜んでいますし、夫も楽しみのビールを美味しく飲める理由ができたと喜んでいます。家族皆で幸せな時間をつくるために、協力して掃除をして、身も心も満足できているので、この方法に変えて本当に良かったと思っています。
30歳契約社員のB美さん|同僚に教えてもらった秘策
B美です。私は30歳、契約社員でIT系企業で働いているママです。同居しているのは夫、幼稚園年長の長男、年少の長女です。夫は会社員で8時40分~17時20分が定時の会社、土日はお休みです。私は時短勤務で9時半~17時まで働いていますが、職場が遠いため朝は7時半には子供を預け、自宅に戻るのは19時。夫は残業をするので帰宅は20時ごろが平均的です。
家事はせずソファーでスマホばかりしていた夫に毎日イライラ
主に家事を行うのは私で、朝は5時から子供の弁当づくり、夕飯の下ごしらえ、子供を園に送ります。帰宅後はすぐにご飯のしたくと風呂の用意、風呂に子供を入れながら洗濯をし、20時ごろには子供の風呂完了、洗濯機が止まるまで前日の洗濯物をたたみ、洗濯機が終われば干します。その間、空いた時間で子供の弁当箱と夕飯の皿を食洗機へ。とにかく目が回る忙しさです。
以前、夫はあまり家事をしてくれませんでした。ご飯を食べ終わればソファーで座ってスマホ。本当にイライラしていました。そこで会社の同僚に相談して進められたのが家事ボード。その日やるべき家事をすべて表にして書き出し、その横に未・済の欄を作ります。自分がやったら「済」に自分の色のマグネットを貼ります。夫は青、私はピンクです。夫がどのくらい家事をやったか、一目瞭然になりますよね。
家事担当の視える化、「できる男」を自覚できるのがやる気の秘密
これを導入した時、夫は「やり方がわからないんだから俺のほうが少ないのはしょうがないよね…」と言っていましたが、だんだんと「俺のマグネットを増やしてどや顔したい」という気持ちが芽生えたのか、覚えた家事はどんどんやるようになりました。20時に帰ってくれば、まだ洗濯物干しや翌日の弁当用の米たき、鍋などの洗い物、子供の歯磨きなどの作業が残っています。それらをこなしてくれることで私の負担は減りましたし、私の方からも彼のがんばりが見やすくなるので「これやってくれてありがとう」と具体的に感謝の気持ちを伝えることができるようになりました。
夫もマグネットが増えるごとに「おれはできる男」と思うようになったのか満足げです。こうした毎日を見ていてか、子供も「ママ手伝いある?」と聞くようになりました。家事を頑張ることはかっこいい、と思うようになったみたいです。家事ボードは作るときにすこし手間がかかりますが、作ってしまえば汎用性があります。家事が増えたら欄を足せるように少し余裕をもって作っておくとよいでしょう。今後は子供のマグネットもつくって、家族みんなで家事をシェアできるようにしていきたいと思います。教えてくれた同僚に感謝、感謝です。
ここまで・・・
前記お二人の体験記は、実際家事協力してもらうという段階になったときに使えるアイデアです。でも、そもそも家事をお願いしようものなら、頭ごなしになんで俺が??というご主人もいらっしゃいますよね。最後にご紹介するのは、全く家事をやってくれなそうな夫を上手く家事協力の方向に気持ちを向かせたという体験記です。
医療機関パートの50代C枝さん|そもそも家事をする気が全くない夫を家事に意識を向けるには?
C枝です。私は現在54歳の主婦です。仕事は月火水金の週4日間、医療機関でパートをしています。家族構成は3人で、私と主人、中学1年生になる子供がいます。夫はダブルワークをしています。1つはメインの夜勤の仕事で、紹介予定派遣として働いています。夜中23時半頃自転車通勤で出かけて、翌朝9時頃帰宅します。
ダブルワークの夫。忙しいのはわかるが、週末に一人で出かけてしまうのが不満
それから睡眠を摂り、15時に2つ目の仕事である倉庫の仕事に出かけて、夜の20時半過ぎに帰宅します。夫の仕事はどちらも土日は休み、倉庫の仕事は水曜日も休みです。主に家事を行っているのは私で、夫は何もしてくれませんでした。昼間はとにかく寝ていたいという気持は分りますが、土日の休みには付き合いで出かけてしまうことが多く、それが不満でした。
私は子供の部活のある日は車での送り迎えもあり、土日は朝3時過ぎに起きてお弁当作りをしてプラス家事もあるので、1週間休みなく忙しいのです。夫は水曜日は倉庫は休みで、夜の23時半まで時間が開いています。水曜日は息子は学校が終ってから部活があるのに、全く家事を手伝ってくれないことに不満を持っていました。
二人にとって大切な「子供」を理由に外堀を固めて家事に誘い込む
そこで、夫に息子のユニフォームの下洗いを頼むことにしたのです。夜19時過ぎに部活から帰宅して、その後お弁当箱を洗って泥だらけのユニフォームを洗濯して、更に夕飯の支度をするのがとても大変でした。テレビCMで、泥が良く落ちるという石鹸を購入してきて「これだと良く落ちるよ~」と言ってやって貰うことにしたのです。もちろん、事前に洗うものは私が先に仕分けをして、夫がやりたくないという気が起きないよう、夫に頼みたいものだけを洗面台に置いておきます。
「あそこに置いてある”だけ”だから、石鹸出しておいたからお願いね!」というと、夫も何となく息子のユニフォームは流されてやってくれるようになりました。お蔭で、息子の練習がある日の夜は、自宅に帰って来てからすぐに食事の支度に取りかかれる様になりました。帰宅をするとすぐに主人がユニフォームを洗ってくれますので、そのままお弁当箱洗いと食事の支度ができる様になりました。
今迄はまず夕飯の支度をして、出来上がったら主人と息子に先に食べてて貰い、私がユニフォームの洗濯をしていたのですが、主人が手伝ってくれるお蔭で一緒に夕飯が食べられる様になったのです。泥モノの下洗いをして貰えるお蔭で、気落ちに余裕ができて夕飯時にイライラすることがなくなりました。後は洗濯機がやってくれるだけですので、とても楽です。自然と翌朝洗濯物を取り込んでくれる様にもなり、良かったと思っています。
全く家事をしない夫の意識を変えた働く主婦たちに共通するポイントは?
それまで家事は自分とは関係ないと思っている男性の意識を変えるのは大変なことです。しかし、何人か実際に夫婦で家事シェアが出来ているというという方にお話を聞くと、何らかの形で「子供」が関わっていました。
最初は子供と一緒にやりやすい家事を担当してもらう、家事を視える化して、子供の評価も気になる状況にしてしまう、子供に関するものを頼んでしまうなど、すでに自分よりも家事ができて、家では自分よりも1段上の立場である妻をあえて手伝うのではなく、自分よりも弱い存在である子供が関わることにより、夫が自分がやらなきゃ、活躍しなければというヒーロー心がまんまとくすぐられるわけです。そこが、他の方も、今回の3人の働くママにも共通していることでした。
まとめ
全く家事をしない夫に家事協力するようになってもらうために大切なことは、
1・子供に介入させる。子供も使う。子供のためにという理由を押し出す。
2・最初は家事が大変だと感じないよう、夫が入りやすい家事を必ずチョイスし、夫がやりやすいよう段取りしておく。花を持たせる。
ということを踏まえて、家族の明るい未来、家族の絆を深めるためにも、何とかまずは家事という土俵に上がってもらえるよう仕掛けていきましょう。